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扇町創造村(OCV:Ogimachi Creative Village)】構想について
4.運動のユニークな意義
 扇町創造村のような運動は、どの都市のどの地域でも展開できるものではありません。各種の創造的職業の厚い蓄積と、作品に対し強い関心と高い鑑賞眼をもつ市民との幸運な結合を必要とします。北区には、そうした結合が現にあると思われます。創造村運動は、そうした状況の中ににがりを放り込む試みです。その意味で、成算はかなりあります。
 不安要因もないではありません。文化振興のような迂遠なもで町おこしをするということに大阪人は疑いの目を向けるかもしれません。地域全体を創造活動のインキュベーションの場とするというのは、あまりにも遠大な野望と見えるかもしれません。しかし、25年後を考えるとき、現在の産業構造を維持することができないことは目に見えています。これは第3回講義でも強調したことです。今後どのような仕事を生活の糧とするかを考えるとき、大阪に開かれた数少ない可能性のひとつが創造村をステップとする産業展開の方向です。このような産業展開は、個別のアーティスト・クリエータたちの努力では切り拓けません。放置しておけば、いまある集積も東京などに吸収され、次第に骨のないものになりかねません。
 あらゆる創造者たちは相互に刺激しあう環境と創作活動を収入に変えるメカニズムとを必要としています。大阪北区は、これを可能にする稀有なチャンスをもっています。扇町創造村運動は、このチャンスを現実化する試みなのです。
 大阪は、実は現在、衰退する都市と持続的に発展する都市との分岐点に立っています。扇町創造村構想は、こうした分岐点にたつ大阪を持続的発展の方向に引き込むための政策提案です。類似の施策が他のどこかで試みられているという性質のものではありません。人まねで、このような危機は乗り越えられません。多くの関係者が知恵を絞って始めて成功するものです。このインターネット講義の受講生の皆さんの中からも、趣旨に賛同して協力してくれるひとが出てくることを切に願ってやみません。
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